【開催レポート】10/17(日)孫介護交流会

去る10月17日に「よしてよせての会」で孫介護交流会を開催し、当事者から「重度認知症対応のデイサービス」、「病人サービス・ショートステイの設置」、「孫シングル・多重介護限定介護上限サービス拡大」の3点が必要との声が上がりましたので、お知らせ致します。12月中旬にウェブメディアに活動内容が紹介されます。

「重度認知症対応のデイサービス」

孫介護交流会に参加したhamoさんは、重度の前頭型側頭型認知症の母親を介護し10年目が経過しました。

hamoさんは、母親を治療してくれる病院を探し、まず神経内科を受診しましたが

医師から「あんたの母親みたいな症状は治るわけないでしょ、無駄なんだよ」と言われ、絶望の淵に立ったhamoさん。

その後、大学病院を訪ねるも医師から「症状はアルツハイマーかレビーかわからず、治験の紹介はしてない」と告げられたのです。

その後、別の大学病院で血流テストの結果から「前頭型側頭型認知症」が発覚しました。

母親の病名がようやく発覚したものの、次に待ちうけた試練は、「施設探し」でした。

hamoさんは、母親の要介護認定を申請しましたが「体が動き元気で、よく話せる」のが理由で要介護2でした。特別養護老人ホーム(特養)の入所基準の要介護3を満たしていません。そして、母親は、「小規模多機能施設」、「デイケア」「ショートステイ」などに通いました。しかし、「深夜までずっと話しをして、他の利用者とケンカするなどし、職員の手がかかる」と言われ長続きしませんでした。

その後、母親は、病が進行しhamoさんと些細な口喧嘩で勝手に外へ出て行き、警察に保護されました。

そして、母親は、高齢者虐待防止法に基づき高齢者の生命・身体に重大な影響を及ぼす可能性がある場合に仮入所する「やむおえない措置」で有料老人ホームに一時入所しました。

つまり、hamoさんは母親を虐待しているのではないかと疑われました。

こうした騒ぎが1年に、200~300回は警察に行き、1日3回警察と往復した日もあったといいます。

現在、母親は、週2回朝9時から午後4時まで認知症対応デイサービスに通っているといいます。

「携帯などの連絡先も教えない。収容した施設も教えない、やむおえない措置も1泊3万円実費請求。他の施設もなく、とりあえず重度の認知症デイサービスを増やしてほしい」(hamoさん)と訴えます。

hamoさんのnoteは、https://note.com/hamonikki/ で、ツイッターは@hamonikki でご覧いただけます。

私も、祖母は重度認知症、母親は身体表現性障害で精神症状がきつくなり、入院が必要になりましたが病院を50近く探しようやく見つかりました。精神症状が酷い患者の場合、精神科病院以外に入院可能な受け皿がほとんどありません。

「病人デイサービスやショートステイの設置」

また、「1ヶ月の介護サービスの上限をいっぱい使いきる直前で病気やケガで要介護者のケアができなくなる」など介護者が緊急時の場合にあると便利なのが「病人デイサービス」や「病人ショートステイ」という声が聞かれました。これは、病児保育(保健所に通っている子どもが病気を発症した時、家庭で面倒をみるのが難しい保護者に変わって保育士・看護師が看護する)の応用バージョンで大変面白いアイデアだと思いました。そういえば日本は、要介護者の介護サービスが主体で介護者のケアがほとんどありませんし、これからの少子高齢化に向け必要なサービスではないでしょうか。実際、諸外国を見渡すとスウェーデンの「コミューン」という自治体では、「ホームレスパイトサービス」があり週4時間無料でヘルパーが派遣されるサービスがあります。

マンパワー、コスト、ハード面の課題はありますが、介護者が「心身面を気にせず安心して介護できる」環境を整えていただきたいです。

「孫シングル・多重介護者の介護サービス点数増加」

また、「よしてよせての会」でシングル・多重介護者限定で孫介護者の介護サービス点数増加を訴える人がいました。

孫介護者は、10~40代と低年齢、家庭環境が複雑、シングル・多重介護者が多いといった特徴があります。

参加者は、30代の若さで祖母を介護していて、母親や親戚からは「そんなおばあちゃんほっといて早く施設に入れなさい」と言われ、家を出て祖母と2人暮らし。

「おばあちゃんが大好きで在宅介護をしているのですが、ワンオペ介護はきついです。介護サービスの1ヶ月の上限点数が毎月足りなくて困っていて訪問看護を減らし四苦八苦しています。点数を増やしてほしい」(参加者)。

参加者の祖母の要介護度は3で「アルツハイマー型認知症」と「心臓の持病」を抱えていて、目が離せません。

このように孫介護者は、要介護者の親が病気・疎遠であるなど家庭が複雑、低年齢、経済的に厳しい環境である場合が少なくありません。

かくいう私も、精神疾患の母親と認知症祖母をシングルや多重介護をしていましたが、プライベートや仕事の時間はほとんどとれませんでした。それでも、”祖母を家で一日でも長く一緒に笑って、ケンカして、食べて、歩いて、出かけてと思ったものです。

10~40代の孫介護といえば、「進学」、「就職」、「結婚」、「出産」といった人生の転機を迎える重要な年代。

さらに、ここ10年の報道資料を見ていると、介護殺人を一番引き起こしているのは「シングル・多重介護者」で、ケアレベルが高く壮絶な実態がうかがえます。

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投稿者プロフィール

奥村シンゴ
奥村シンゴ
兵庫県出身。介護作家、メディア評論家、「よしてよせての会」代表。神戸学院大学法学部法律学科卒業後、株式会社CSKマーケティング(現在、SCSK株式会社)で放送・通信業界の営業職などを経験。32歳から認知症祖母や精神疾患・ガンの母親の介護を経験し、「介護」、「メディア」をテーマに執筆・講演・出演。単著『おばあちゃんは、ぼくが介護します。』はジュンク堂書店1位、みんなの介護の連載249回、介護専門誌日総研認知症ケアの連載は4年目、読売新聞・朝日新聞・共同通信・政治家・自治体講演、ラジオなど掲載・出演延べ400を超える。